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新型コロナ
ハマの名画座「廃館危機」 鑑賞券事前購入、切り札なるか

文化・科学 | 神奈川新聞 | 2020年4月9日(木) 05:00

緊急事態宣言を受けて休館を決めた「シネマ・ジャック&ベティ」=7日夜、横浜市中区
緊急事態宣言を受けて休館を決めた「シネマ・ジャック&ベティ」=7日夜、横浜市中区

 新型コロナウイルスの感染爆発の防止に向けた緊急事態宣言の影響で、ミニシアター「シネマ・ジャック&ベティ」(横浜市中区)が8日、休館に入った。休業要請はないが、情勢を踏まえて当面の営業自粛を決断した。「再開までに時間がかかれば廃館となる可能性がないとは言い切れない」。危機感を募らせる支配人は、劇場鑑賞券の事前購入による支援を呼び掛けている。

 映画館は興行場法や条例に基づき、感染症の予防などのため換気の量を定めている。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、同館では観客が使う座席は間隔を空けるなど独自の対策を施して運営を続けてきた。

 3月中旬以降は例年の半数以下に集客が落ち込み、同月26日に不要不急の外出自粛が要請されてからは観客が激減。支配人の梶原俊幸さん(43)は「桜が開花する時期からゴールデンウイークにかけては一番の書き入れ時。開館できないのはかなり厳しい」と苦悩の表情を浮かべる。


休館を決めた経緯を苦渋の表情で話す支配人の梶原さん=7日夜、横浜市中区
休館を決めた経緯を苦渋の表情で話す支配人の梶原さん=7日夜、横浜市中区

 政府の緊急事態宣言を受けて、黒岩祐治知事は映画館などの使用停止や制限の要請・指示が可能になった。梶原さんは「今のところ知事からは要請や指示はないが、緊急事態宣言にはできる限り協力する」として、7日夕に営業自粛による休館を決めた。1カ月後の5月7日の再開がめどだが、詳細は全く決まっていない。

 「16人いる社員やアルバイトに遅配なく給料を払うことが最大の問題」。7日夜、再開後の劇場鑑賞券とともに、スクリーンに自身の名前を上映する権利などをセットにした新商品を同館のネットショップで販売を始めた。8日正午までに468人が購入を済ませ、支援のメッセージも相次いで寄せられている。

 1952年に開館した「横浜名画座」が前身。銀幕の魅力を広めようと映画監督や俳優らの舞台あいさつを頻繁に開き、交流の機会を増やしてきただけに、長年通い続けるファンも少なくない。

 「大変な状況にもかかわらず応援してくれて感謝したい。力を蓄えつつ、お返しの準備を進めたい」。梶原さんに、ようやく笑顔が戻った。商品は3千円(税込み)。問い合わせは、「シネマ・ジャック&ベティ」電話045(243)9800。

 
 

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