ふるさと福島の桜へ思いをはせ、大磯町の斉藤広昭さん(84)が地元の公園に植樹した桜の木が、「大磯小桜」として新たな園芸品種に認定された。20年以上前から接ぎ木と挿し木で苗をこつこつと育ててきた。「地域への恩返し。大磯で愛されて大切に育ててもらいたい」。この春は例年より控えめな咲き具合だが、小さな愛らしい花々が公園の丘を彩り、来園者を出迎えている。
4月、湘南の海を望む大磯運動公園(同町国府本郷)の丘の斜面で、大磯小桜の枝に小さな花がぽつぽつと咲いていた。「一つ一つの花は小さいけど、密集して枝に絡みついて咲いて、ソメイヨシノにも負けないくらい迫力があるんだよ」と斉藤さん。例年は3月下旬には満開となり、春の到来を告げる。