新型コロナウイルス感染拡大の影響で、県内の中学、高校スポーツ大会の開催中止や延期が相次いでいる。中学は4月の全公式戦を取りやめる方針。高校も関東大会中止の公算が大きく、競技ごとに県総体などの開催を見合わせる動きも出ている。関係者は「部活動ができていない状況ではけがや事故の懸念もある。一日も早く終息に向かってくれれば」と気をもんでいる。
県中体連は当初4月の部活動再開を見込み、通常開催に向けて準備していた。だが、コロナ禍終息の兆しが一向に見られないことから、3月下旬に県内各地区へ4月中の公式戦の原則中止、延期を通達した。
4月はハンドボールや陸上などの県大会が予定されていた。さらに、5月以降も県中総体の地区予選が控えるが、開催可否は見通せない状況だ。県中体連の関係者は「公共施設も閉まっており、会場の問題もある。さらに県レベルの大会となると、公共交通機関での移動も伴うので難しい」と指摘する。
公立学校の新年度以降の対応を巡っては、県と横浜市の教育委員会が30日に方針を決定。同市は4月8日から再開するとした一方、県立学校は同6日の始業日から2週間程度臨時休校を延長するとした。
「実際、生徒たちが外に出られないので大会も中止せざるを得ないだろう」と県高体連の担当者。5、6月に開催予定だった各競技の関東大会は中止の方向で協議が進められており、4月20日に行われる関東地区の理事会で最終決定が下されるという。
県総体についても、既に総合開会式の中止が決まっている。さらに、4月開幕の競技についても軒並み延期。自転車、カヌーは当初の計画通りに開催するとしているが、「準備は進めているが今後の動き次第で不透明」(自転車競技専門部)という。
他県では既に部活動を再開した地域もある。県高体連はそうした状況を踏まえつつ、「関東では茨城、栃木が再開しているはずだが、厳しいと言っていた。(ウイルスを巡る情勢が)良い方向には進んでいないので」と対応に追われている。
活動再開心待ちに 生徒ら公園で練習
長引く部活動自粛の影響で、中高生らが地域の公園などでトレーニングせざるを得ない状況が続いている。チームメートと集まって汗を流したり、4月の高校入学に合わせて自主練習に励んだりとさまざま。先の見えない状況に不安を抱えながらも、活動再開を心待ちにしている。