川崎生まれの「辛くない唐辛子」を使ったフレーバーオリーブオイルが発売された。川崎市が進める知的財産マッチング「川崎モデル」で唐辛子と相模原市の企業が結びつき、商品化につながった。関係者は「唐辛子の香りの輪が市外に広がる」と期待している。
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唐辛子は「味の素」(川崎市川崎区)がサプリメントの原料として品種改良した新種「香辛子(こうがらし)」。辛さで有名なブートジョロキアやハバネロから育種された唐辛子だが、辛みは弱くフルーティーな香りが特徴で、生で食べられ、栄養素のカロテノイドはトマトの10倍という。市内の農家が昨年から栽培し、市内の飲食店などで使用されている。
今回オリーブオイルに加工したのは、相模原市南区で同市産ニンニクの成分を入れたオイルを手がける合同会社「わざあり」。昨年8月に行われたマッチング会で、ニンニクの栄養成分を抽出する技術が香辛子にも転用できると評価され、約半年間試作を重ねて製品化にこぎ着けた。
オイルは「香力(かりき)」と名付けられた。食べても辛さはほとんど感じないが、さわやかな唐辛子の香りが口の中で膨らみ、ドレッシングなどでそのまま使用できる。
川崎市産業振興会館2階(幸区)などで1本1900円で販売されている。また販売開始に合わせて、市内のおむすび専門店などを運営する「美遊JAPAN」、ケータリングサービスの「アポルテフードファクトリー」、レストランを併設する「ホテル精養軒」が、香力を使ったサラダやパスタなどの料理を提供する(ホテル精養軒は4月6日から)。
問い合わせは、川崎市イノベーション推進室電話044(200)3896。