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2020年2月の記事から
司法をどう報じるか

ジャーナリズム時評 神奈川新聞  2020年03月19日 02:00

 司法と一口に言っても、実際の報道対象は幅広い。係争中の事件の公判廷の様子や事件の背景を報じる、裁判報道がその中心であることは間違いないが、その前段である事件報道も一続きではある。ほかにも、収容施設の問題を追ったり(ちょうど「プリズン・サークル」という刑務所内の更生プログラムを追った映画が上映中だ)、現在進行中の検事総長人事をめぐる騒動も司法の問題に違いない。今月は、こうした司法を取り巻くさまざまな問題を報じる視点を考えてみたい。

何を、いつ、なぜ


やまゆり園の公判廷では傍聴席が遮蔽されるなどした横浜地方裁判所
やまゆり園の公判廷では傍聴席が遮蔽されるなどした横浜地方裁判所

 あまたある裁判のなかで、新聞が取り上げる事件はごくわずかだ。その取捨選択はまさに記者の仕事だが、当然、そこには時代の反映もあれば、記者の関心度合いも関係する。一昔前、児童虐待は傷害の一類型ではあったものの、「事件」という認識は報道界になく、紙面化されることはなかった。これは社会全体の意識の反映でもあって、体罰を含むお仕置きは、当たり前の教育手法であったからだ。

 同じことは痴漢犯罪やストーカーにも当てはまる。しかしいまでは、これらの「事件」は、通常の傷害よりむしろ大きな扱いをされるのが一般的だ。このように事件化させ、刑事手続きに光を当てることは、報道の重要な役割の一つだ。社会の注目を集めることで、制度改善がなされたり、再犯の防止にもつながるからである。

 一方で難しいのが、被報道者の社会的評価やプライバシーとの兼ね合いである。

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