「津久井やまゆり園事件」の裁判員裁判では、元職員植松聖被告(30)の事件当時の精神状態を巡り、法廷で証言した精神科医2人の見解が食い違う格好となった。事件前から乱用していたとされる大麻が被告の行動に与えた影響をどう捉えるべきか。別の専門家2人に第三者の視点から話を聞いた。
やまゆり園事件考 刑事責任能力(上)検察側 妄想なく正常心理
やまゆり園事件考 刑事責任能力(中)弁護側 大麻で人格が変容
裁判所からの依頼で精神鑑定に当たった鑑定医は証人尋問で、被告を精神病ではなく、大麻使用障害や大麻中毒と診断したことを明らかにした。襲撃時の計画的で理性的な行動から、被告の心理状態は正常だったと判断。大麻の影響はわずかとし、完全責任能力があったとする検察側の主張に沿う証言をした。
精神状態への大麻の影響を見極める上で、重要な要素とは何か。