新型コロナウイルスの感染拡大に絡み、インターネット上で誤情報やデマが広がっている。全国でトイレットペーパーの買い占め騒ぎが起きたほか、根拠不明のウイルス撃退法が流布されている。会員制交流サイト(SNS)や通販サイトなど多様な経路を通じ複合的に情報が増幅。国境を越えて拡散したことも今回の特徴だ。
トイレットペーパーが不足し始めたのは2月下旬。「(品薄の)マスクと原材料が同じ」「中国に生産を依存」と指摘したツイッター投稿が発端とされる。実際は国内生産が大半で、原料はパルプや古紙。マスクに使われる不織布の原材料は主に化学繊維でツイッターの情報はデマだ。
ただ2月26日ごろからツイッターや画像共有アプリ「インスタグラム」を通じ、ドラッグストアで実際に棚から商品が消えた写真が多数投稿され「デマと知っている人を含め買い占め行為に拍車がかかった」(大手スーパー幹部)ようだ。
総務省幹部は「テレビやSNSだけでなく、メルカリやアマゾンで高額転売される様子を見て不安になる人も多かった」と指摘。さまざまな経路で情報が流れ、共振し合ったと分析する。
感染予防に関するデマも多い。