他にはない神奈川のニュースを!神奈川新聞 カナロコ

  1. ホーム
  2. ニュース
  3. 話題
  4. 「異色」の慶大生ピアノデュオ 3月公演へ意気込み

動画
「異色」の慶大生ピアノデュオ 3月公演へ意気込み

話題 | 神奈川新聞 | 2020年2月29日(土) 05:00


 慶応大学法学部3年の松本陽(よう)さん(21)と同大総合政策学部3年の三浦天道(たかみち)さん(21)が3月6日、横浜みなとみらいホール(横浜市西区)で、ピアノデュオコンサートを開く。幼少期から88鍵を弾く一方、音楽大生ではない自分たちの姿を重ね、テーマは「異色」。自らホールを借り、演出を練ったこだわりのコンサートでは「芸術性を高めるためには、作品が生まれた歴史を学ぶことも大切。専攻する政治は音楽と相互関係がある」(松本さん)などの思いを込め、自分たちの強みを音符に乗せたいと意気込んでいる。

 東京都八王子市出身の松本さん、秋田県秋田市出身の三浦さんは、ともに小学校入学前からピアノに打ち込み、プロを目指し腕を磨いてきた。高校時代には、ともに自主コンサートも経験。音大への進学を夢見ていたが、経済的な理由などで道が閉ざされた。

 大学進学後、ピアノ好きが集まるサークル「慶應ピアノ・ソサィエティー」で出会った2人。中学時代から陸上競技に熱中するなど共通項が多く、すぐに打ち解けた。「クラシックは難しいと敬遠している人たちに、魅力を伝えたい」(三浦さん)、「ピアノを弾く男性は家にこもりがちという誤ったイメージを払拭(ふっしょく)したい」(松本さん)など抱えていた思いも重なり、自主公演開催を決定。クラウドファンディングなどで資金を募ることも考えたが、「自分たちの手でどこまでできるのか挑戦したい」と、会場予約からチラシやホームページ作りまでアイデアを出し合いながら自分たちらしさを模索してきた。


現役慶大生の(左から)松本陽さん、三浦天道さんが3月6日に、横浜で自主コンサートを開く
現役慶大生の(左から)松本陽さん、三浦天道さんが3月6日に、横浜で自主コンサートを開く

 コンサートは3部構成。理論派の松本さんはフランス印象派を代表するクロード・ドビュッシーとモーリス・ラヴェルの楽曲で、会場をトリコロールカラーに塗り替える。オルガンなど古楽器に親しんできたキャリアを生かし、フランスの音楽を変革したセザール・フランクの楽曲も歴史の解説を交えて披露する。

 三浦さんは180センチの体格を生かしたダイナミックな演奏で引き込んでいく。民衆の心象風景を表現した「ロマン派期」の4曲では、ピョートル・チャイコフスキーからフランツ・リストへと続く中で、「徐々に激しくなっていく曲調の変化に合わせ、次第に感情が高ぶっていく感覚を楽しんでほしい」としている。

 2台のピアノを並べ、フレデリック・ショパンの「ピアノ協奏曲第一番」の全楽章に初挑戦。「純クラシックをしっかりと聴かせたい」と決意をにじませる。

 大学進学時は、第1希望がかなわず、挫折感の中にいた2人。自らを信じ、東京・銀座などでステージ経験を重ねている松本さんは「僕たちの活動が、音大に進学をしなかったからと自信を失ってしまった人、進学に悩んでいる高校生などの力になれば」と願っている。

 午後6時開演。入場料は学生以下が千円。一般は2千円。未就学児童は無料。コロナウィルス予防のため、マスク着用の上での来場を呼び掛けている。持参できなかった人には会場で配布する。詳細は公式サイト

 
 

演奏会に関するその他のニュース

話題に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング