川崎市麻生区の多摩丘陵でラベンダーの無農薬栽培に取り組む男性が、アロマオイル作りに情熱を注いでいる。数年前から「夢は東京五輪・パラリンピックで来日した選手に使ってもらうこと」と公言。試行錯誤の末に納得のいくオイルを作り上げ、あとは寄贈先を探すだけとなった。
オイル作りに励むのは、区内で民間の市民農園「片平楽農倶楽部」を運営する三浦武雄さん(73)。造園業に従事していた三浦さんは10年ほど前に市内のゴルフ場から依頼を受け、区内の遊休農地などで観賞用ラベンダーを栽培するようになり、香りの効力に魅了されていったという。
観賞以外の新たな活用法を見つけようと、5年ほど前に蒸留装置を購入。山梨から取り寄せた天然水を使って蒸留し、精油を抽出している。「人に喜んでもらうために作るのだから、こだわりたい」と三浦さん。昼間は市民農園の仕事があるため、夜間にこつこつと蒸留作業を進め、研鑽(けんさん)を積んできた。