課題解決策探り提案
テーマは高齢化問題、「根拠を明確に」
「子どもがいない高齢者はどうするのか」「養子をもらったら、どうか」。発表者のプレゼンテーションに対して、他の生徒から質問が出される。
「政治・経済」の授業の一場面。小田原東高校は、県教育委員会による教育課程研究開発校の指定を受け、2022年度から始まる新科目「公共」の研究を進めている。
今回の単元の主題は「超高齢社会の諸問題の解決」。生徒はまず、少子高齢化について知識を身に付け、解決すべき課題を見つけていく。個人で考えた課題はグループで共有し、次にその課題を解決するための方法を政策という形で考える。
「根拠を明確にして解決方法を説明してください」。先生の指示で、発表の準備を進める。 「年金制度に問題がある。制度を変えるのはどうか」「それでは、今まで年金を負担してきた高齢者は納得しないのでは」「社会主義的な政策にするのはどうか」「予算の根拠はどうするのか」
根拠のない政策は質問に耐えられないことを、体験的に理解する。放課後に残り、発表準備を進めるグループもあった。
そして迎えた発表の日。生徒たちは入念に準備した成果を、発表していく。
「日本の消費税は世界的に低いものとなっています。こちらの消費税の国別比較を見てください」「家賃や光熱費を除くと8万円あれば、生活できます。これをベーシックインカムとして、保障する制度を作ります」
発表にはどれも根拠がある。冒頭の「子どもがいない高齢者はどうするのか」という質問を受けたグループは熟考の末、少し過激な提案をした。「子や孫が高齢者を支えることを制度とします。そうして少子化を止めたいと考えています」
現実の社会には未解決な問題がたくさんある。諸問題の解決に向けて考えを深めていくことで、生徒たちは問題解決力を身に付けていく。
さまざまな教室から、県教育委員会の指導主事や先生らで構成する「学び見守り隊」がリポート
神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』」で紹介。
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/