県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で起きた殺傷事件の裁判員裁判は、12日に遺族や被害者家族らの意見陳述が行われた。代理人弁護士による代読も含めて計10人が臨み、殺人などの罪に問われた元職員植松聖被告(30)に対し、肉親を奪われた悲痛な思いをぶつけた。要旨を2回にわたって紹介する。
甲C、女性26歳の母
心癒やし幸せくれた
私はどうしても娘の思いを伝えたいのです。
園の行事ではフランクフルトやチョコバナナを自分で選んでおいしそうに食べていた。大好きなアイスをうれしそうに食べ、職員さんも喜んでいた。ブランコに乗って楽しく遊んでいた。いろんな思い出がたくさん娘の心の奥に残っていると思います。
娘をいとおしく、大切に思ってきた。かわいくて、かわいくて大好きでした。娘はもういません。月日がたっても悲しみが癒えない。とても寂しく、つらいです。この思いは永遠に消えることはありません。
娘にはいろんなことを教えてもらった。ジュースを買ってと指さして思いを伝え、早く行こうと私の手を引き、写真を撮る時にはピースサインをし、意思表示ができました。
私は心を閉ざしてしまった。それでも娘のことを言いたいのです。娘は多くの人の心を癒やし、愛されて、笑顔はたくさんの人を幸せにしてくれました。
大好きでした。私の人生にかかせない存在でした。娘は二度と戻ってこない。あなたが娘を奪った。娘と同じにしてください。死刑にしてください。障害があっても、大切な命です。