国が朝鮮幼稚園を含む外国人学校を幼児教育・保育無償化の対象から除外している問題で、制度の適用を訴える署名活動が川崎市内で続いている。その場に掲げられる一枚の横断幕がある。「全ての子どもに幼保無償化を!」のスローガンとともに描かれた子どもたちの笑顔─。その愛らしさが醜い差別の不条理を明瞭に浮かび上がらせる。
13日夕。川崎朝鮮初級学校の地元、川崎区の桜本商店街で3週連続となる署名集めが学校関係者、地域住民によって行われた。
「『全ての子どもが健やかに成長するよう支援する』という制度の趣旨を偽りなく実現すべく、署名への協力をお願いします」
拡声器で声をからしていたのが横断幕を作った女性教員だった。同校で図工を教える27歳。並んだ七つの笑顔は付属幼稚園に通う一人一人をモデルにして描いた。
「2歳児を入れても8人で、年長の園児は1人もいない。同級生がいなければ通わせるのをますますためらう。幼保無償化からの排除はまさに悪循環に追い打ちをかけるもの」
幼稚園児さえも拒絶し、分断の刃を突き立てる政府の差別政策への憤りを愛くるしい筆致ににじませた。