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時代の正体 沖縄考
山城さんに聞く【4】 平和の願いを裏切られ

時代の正体 神奈川新聞  2020年02月14日 09:00

山城さんの「非暴力の行動主義」は米軍基地を巡る10代の体験で培われた=那覇市
山城さんの「非暴力の行動主義」は米軍基地を巡る10代の体験で培われた=那覇市

 辺野古の海の魅力は、夜にこそある。

 高台から見下ろす月夜の海は音のない静寂の世界。漆黒の水面が月明かりに照らされて白々と揺れるモノクロームの世界だ。太陽がギラギラと照りつけ、翠玉(すいぎょく)色に輝くさまに目を奪われがちだが、夜の姿は静謐(せいひつ)と平穏をたたえ、正反対の美しさを放つ。思わず息をのみ、ため息が漏れる。

 報道される沖縄の人々は拳を握り、辺野古新基地建設に反対の声を上げ、民意無視の構造的差別に抗議する。原色に彩られた昼間の海をイメージさせる猛々(たけだけ)しさだ。しかし、夜の海を彷彿(ほうふつ)させる穏やかさこそが本来の姿だろう。

 沖縄の平和運動のリーダー、山城博治さん(67)は夜の海だ。

 ゆったりとささやくように語り、目を細めて静かに笑う。時折、悲哀に目を赤く染めながら唇をかみ締める。仲間から「泣き虫ヒロジ」と呼ばれるのもうなずける。

■ ■ ■

 1968年に中学校を卒業し、地元の高校に進学した。同窓には玉城デニー知事が名を連ねる。

 身長が足りないと中学時代に励んだ野球に限界を感じ、柔道部に転じた。復帰運動の最盛期と重なり、沖縄が直面する課題を学ぶ文化系サークルにも入る。日の丸を染め抜いた鉢巻きを締め、「祖国復帰」を連呼した。

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