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プロレスラーの多面的な横顔

カルチャー 共同通信  2020年02月13日 16:05

 自著を手にポーズをとる蝶野正洋=東京都内
 自著を手にポーズをとる蝶野正洋=東京都内

 プロレスラー蝶野正洋(56)が語り下ろした新著「自叙伝 蝶野正洋 I am CHONO」が13日、発売された。「黒のカリスマ」としてプロレス界で存在感を示し続ける一方、近年は救命救急の啓発や東日本大震災の復興支援など社会活動にも力を入れる。多面的な横顔を持つ蝶野のルーツがうかがえる一冊だ。

 蝶野は1984年、両親の反対を押し切って新日本プロレスに入門した。高校受験に失敗し、サッカー選手の夢がついえ、高校在学中は何度も停学。そんな自分を「中途半端」と感じていたからこそ、「両親にそうじゃない俺を見せたい一心だった」と振り返る。

 若手時代は「闘魂三銃士」として注目を集め、一大ブームとなった「nWoジャパン」の設立など、その後の活躍は広く知られる通り。本書もプロレスラー時代の話を中心につづられるが、「プロレスラーがプロレスラーで居られるのはリングの上だけ。下りてもプロレスラーでいたら、ただの外れ者」と言い切る。

 印象的なのは、アントニオ猪木とともに東日本大震災から間もない福島県いわき市の避難所を訪問する場面。「人に勇気を与えること、心の支援がわれわれの役割と思う」。蝶野のそうした気付きが、爽やかな読後感を残す。

 竹書房刊、2310円。


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