明治から昭和にかけて活躍した言論人・徳富蘇峰(1863~1957年)が愛用した印章(はんこ)のコレクションが、二宮町二宮の徳富蘇峰記念館で展示されている。多種多様な約130点が並び、遊び心にあふれた蘇峰の一面が垣間見える。12月25日まで。
若い頃から書に親しんだ蘇峰は数多くの印章を著名な篆刻(てんこく)家に作成してもらい、使用した。初めての特別展は同館が保管する約500点からえりすぐった印章を展示している。
蘇峰本人の自画像に押した印章の作者である山田寒山(1856~1918年)は、伊藤博文の自用印を作成して名声を得たという。日本銀行券の「総裁之印」などの印章で知られる益田香遠(1836~1921年)の作品も展示している。
動物や植物に模して加工した印章のつまみの部分、7人の篆刻家が1文字ずつ彫って一つの印章にしたものなどユニークな作品も見られる。サイズは11センチ四方から、横7ミリ、縦9ミリの極小印まで幅広い。
会場では、印章の種類や作成手順、きれいに押印する方法などもパネルで紹介されており、一般の人の参考にもなりそうだ。
入館料大人500円、高校・大学生400円、中学生以下無料。月曜休館。問い合わせは、同記念館電話0463(71)0266。