横須賀市出身で心臓病と闘いながら五輪金メダリストとなった元ソフトボール日本代表・西山麗さんが11日、同市立野比中学校で開かれた県中学校体育連盟主催のソフトボール強化合宿で講演した。中学生選手約100人を前に「かなわない夢はない。五輪を目指してほしい」と呼び掛けた。
西山さんは、5歳の時に「大動脈弁狭窄(きょうさく)・閉鎖不全症」と診断され、市立常葉中学時代に渡米して心臓弁移植を受けるなど2度の心臓手術を経験した。遊撃手として厚木商業高、日立製作所など強豪チームの主軸を務め、2008年の北京五輪で金メダルを獲得。世界選手権での日本の連覇にも貢献した。
強化合宿は日立ソフトボール部の協力を得て毎年開催。現在は同部で若手育成コーチを務める西山さんは後輩3選手を伴い登壇し、生徒たちからの「プレッシャーに勝つには」などの質問に応じた。
中学時代、移植手術を前に同合宿の手伝いに参加したという。その際に斎藤春香選手(元日本代表監督、現日立監督)から「一緒に同じチームでソフトボールをやろう」と励まされたエピソードを紹介。「努力をしたら夢が本当になった。だからみんなにもチャンスがある」と話した。