健康志向の高まりから、ブームとなっている甘酒。大磯町の商業関係者らの手により、地元で収穫した米を使った甘酒の新商品が誕生した。かつて東海道の宿場町として栄えた大磯、街道の茶屋で旅人たちの喉を潤した甘酒は今─。後継者不足などに苦しむ米農家を支え、看板商品となって商店を盛り上げ、愛飲する町民の健康をサポートする。“一石三鳥”のおいしい新名物に、関係者は熱い期待を寄せる。
昨年12月に芦川酒店(同町大磯)など町内の10店舗ほどで販売が始まった「大磯のあまざけ」。同町生沢地区の田んぼで収穫されたキヌヒカリを老舗米店の戸塚正商店(同町西小磯)が買い付けて精米し、大分県の蔵元が製造した。ラベルのデザインは町内在住のイラストレーターたかしまてつをさんが担当した。
伝統的な庶民の飲み物でありながら近年は「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒。疲労回復や美容効果に注目が集まり、さまざまなメーカーが販売するなど静かなブームになっている。
大磯の関係者がこだわったのは、子どもからお年寄りまでおいしく飲める清涼飲料としての甘酒だ。
従来の酒かすを使った甘酒とは異なり、米と米こうじのみを使用。アルコール分はなく、添加物も砂糖も一切使わない。「昔ながらの正統派の甘酒。お米本来の自然の甘さが楽しめる。常温でもいける」と芦川酒店の芦川博昭店長は自慢の逸品に胸を張る。