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【K-person】合田雅吏さん
多くの人に支えられ 地元の偉人演じきる

K-Person 神奈川新聞  2019年12月08日 10:11

合田雅吏さん


合田雅吏さん
合田雅吏さん

 「名前は知っているけれど、その功績について知らない人は多いはず。二宮金次郎(尊徳)がどんな人だったのか知るきっかけにしてもらえれば」。薪を背負って書物を読む銅像が有名な、小田原の偉人を描いた映画「二宮金次郎」で主演を務めた。

 6月に公開後、各地で上映会を展開。口コミで評判が広がり、来年1月から東京都写真美術館ホールでの再上映が決まった。「金次郎の人間らしさも描いた、娯楽作品になっている。地元の偉人を演じることにプレッシャーを感じていましたが、多くの方に喜んでいただけてほっとしています。こつこつ働き、分を守った生活をしよう、などいつの時代にも通用する普遍的なことを伝える、100年後も鑑賞してもらえる映画です」

 映画では、青年になった金次郎が小田原藩主にその手腕を認められ、桜町領(現・栃木県真岡市)の復興に奮闘する姿を描く。「農政家、思想家として活躍した金次郎のルーツは農家。土に触れている様子が様になるよう、農家を営む後輩の畑仕事や米作りを手伝わせてもらいました」。約1年間の成果は映画の中で見事に結実。土壌の状態を確認するため、土を口に含むシーンも抵抗なく演じられたという。「土を模したチョコレートも用意してもらっていましたが、それも不要と思えるくらい土になじんでいました


映画「二宮金次郎」は2020年1月2日から26日まで東京都写真美術館ホールで上映
映画「二宮金次郎」は2020年1月2日から26日まで東京都写真美術館ホールで上映

 撮影では、多くの手応えを得た。「成田山新勝寺で断食をして修行に励むシーンもあり、短期間でシビアな体重コントロールをしたのですが、それを成し遂げたことで自分の自信につながった。五十嵐匠監督には『芝居をするのではなく、映画の中で生きていてほしい』というこだわりがあり、その期待に応えられるよう努力しました」

 共演した柳沢慎吾さんにも支えてもらった、と振り返る。「いつも現場の雰囲気を温かくしてくれる、同郷の先輩。本番直前まであの調子でしゃべりまくっていて、いつも驚かされます。静かだったのは、横浜DeNAベイスターズの始球式前日くらいですね」と笑う。

 ここ数年で、芝居に対する考えが変わってきたという。「今後はだらしない男とか、自分らしくないイメージの役も演じてみたい」。憧れの俳優は田村正和さん。「かっこいい役は、ほれぼれするような色男、コメディーではすごくおちゃめなキャラクターを演じている。振り幅が大きくて大好きなんです」

ごうだ・まさし
 俳優。1970年秦野市生まれ。学生時代からファッション誌でモデルとして活躍。95年「超力戦隊オーレンジャー」で俳優デビュー。2003年から10年まで「水戸黄門」5代目渥美格之進役を務める。テレビドラマ「刑事7人」「科捜研の女」、映画「桜姫」「太秦ライムライト」、舞台「戦国無双」「刀剣乱舞」など数多くの作品に出演。小田原ふるさと大使のほか、小田原映画祭実行委員長も務めている。

記者の一言
 黄門様に仕える、真面目で実直な「格さん」のイメージ通り、丁寧に質問に答えてくれた。現代劇の出演も多いが、やはり、きりりとまげを結った侍役の印象が強い。

 「ふるさと大使」を務める小田原では、定期的に殺陣のワークショップも開催しており、多くの市民が参加。「刀の扱いを学ぶだけでなく、お芝居仕立てにしている。芝居心に火がつくのか、みんなすごくのめりこんでやってくれますよ」と楽しそうにほほ笑む。合田さんの指導なら、クールで舞台映えする殺陣が身に付きそうだ。


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