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25日まで、そごう美術館
「ミュシャ展 運命の女たち」開催 人生彩った女性に焦点

カルチャー 神奈川新聞  2019年12月02日 19:25

ミュシャが自身の娘をモデルにした「『スラヴ叙事詩』展」のポスター=そごう美術館
ミュシャが自身の娘をモデルにした「『スラヴ叙事詩』展」のポスター=そごう美術館

 アールヌーボーの旗手として活躍した画家アルフォンス・ミュシャ(1860~1939年)の人生を彩った女性たちに焦点を当てながら画業をたどる「ミュシャ展 運命の女たち」が、横浜駅東口のそごう美術館で開催中だ。油彩や素描、水彩、ポスターなど約150点が並び、ミュシャ芸術の神髄に迫っている。

 ミュシャは、現在のチェコ共和国モラビア地方で生まれた。同展で展示するのは全て、ミュシャの生家近くに住む医師チマル博士が親子3代にわたって集めたコレクションによる。

 ミュシャの人生を大きく変えたのが、大女優サラ・ベルナールだ。パリに出てきて数年、挿絵の仕事で生計を立てていたが、ピンチヒッターとして描いたサラの舞台ポスターが認められて名声を得た。

 サラの大型ポスター6点が並ぶさまは圧巻だ。2メートルを超える縦長の画面に、華やかな舞台衣装をまとったサラの全身を収めた。縦長の構図には、日本の掛け軸や浮世絵が影響しているともいう。

 同展には素描が多く並んでおり、40代初めに生まれ故郷を懐かしんで描いた「イヴァンチッツェの思い出」もその一つ。早世した初恋の女性ユリンカが描かれており、上向きの顔は目を閉じ、組み合わせた両手が祈るようで郷愁を誘う。

 装飾画家ではなく正統派の画家として評価されたいとの思いがあったミュシャは、50歳でチェコに戻る。自らのルーツとなるスラブ民族の神話や歴史を描いた全20点の大作「スラヴ叙事詩」に着手し、完成までに16年を費やした。1928年に開かれた同作の展覧会ポスターは自身の娘をモデルにしており、民族衣装を身に着け、たて琴をつま弾く少女を描いた。

 同展のコーディネーターを務めるバレンティン・ズビニョフスキーは「日本でこれほどミュシャの人気があるのはなぜか、こちらが聞きたいぐらい。ただ、ミュシャが活躍したアールヌーボーは日本美術の影響を受けており、日本人には親しみやすいところがあるのかもしれない」と話した。

 25日まで。一般1300円、高校・大学生800円。問い合わせは同館☎045(465)5515。


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