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時代の正体 ヘイトスピーチ考
ヘイト条例「議員皆で賛成を」 在日コリアンら市議会訪問

時代の正体 神奈川新聞  2019年11月09日 05:00

思いをつづったしおりを山崎議長、花輪副議長に手渡す石さん(中央)と趙さん(右)=川崎市役所
思いをつづったしおりを山崎議長、花輪副議長に手渡す石さん(中央)と趙さん(右)=川崎市役所

 川崎市川崎区の在日コリアンのハルモニ(おばあさん)たちが8日、市議会の正副議長を訪ね、市が12月議会で成立を目指す「差別のない人権尊重のまちづくり条例」の全会一致での成立を訴えた。市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」のメンバーとともに各会派も訪問。ヘイトスピーチを禁じ、罰する全国初の条例に寄せる切実な思いを届けた。

 同区で暮らして50年の石日分(ソク・イルブン)さん(88)は「ヘイトスピーチを止めてください、助けてくださいという思い。条例は全国から注目されており、成立すれば歴史にも残る。平和に暮らしたい私たちの思いが届くよう、議員の皆さんで賛成してください」と訴えた。

 長崎生まれの在日2世。子どもの頃は数々の差別に遭ってきたが、「同胞が地域に溶け込んでいる川崎に住んで幸せ。先進的な条例を作ろうとしていることに感謝している」という。

 そんな在日コリアン集住地区の同区桜本を目掛け、民族虐殺を銘打つヘイトデモが実行されたのは2015年11月。この「川崎発日本浄化デモ」が立法事実となり、ヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の条例の素案は練られた。

 「どうして子や孫の代まで差別されなければいけないの」。痛む足を押し、抗議の先頭に立ってきた趙良葉(チョウ・ヤンヨプ)さん(82)は父が徴用工だった。「私たちは差別を当たり前に受ける時代を生きてきたが、今も差別で苦労している人はたくさんいる。そういうことのないよう政治に取り組んでもらいたい」。国会議員に被害を訴え、16年5月のヘイトスピーチ解消法の成立は国会で見届けた趙さんだが、この日の車いす姿に費やされた歳月がにじんだ。

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