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【台風15号】海づり施設に爪痕

横浜みなと新聞 神奈川新聞  2019年10月01日 16:20

台風15号の影響で管理棟が大破し、桟橋が落下した「本牧海づり施設」 =9日、中区本牧ふ頭
台風15号の影響で管理棟が大破し、桟橋が落下した「本牧海づり施設」 =9日、中区本牧ふ頭

 首都圏を直撃した台風15号は、横浜港の本牧、大黒、磯子の3カ所にある海づり施設「横浜フィッシングピアーズ」に大きな爪痕を残した。復旧を待ちわびる太公望たちの要望に応えようと、施設を所有する横浜市は順次、営業再開を急ぐ考えだ。その上で、市は「海で釣りをする際は決められた場所で、ルールとマナーを守ってほしい」と呼び掛けている。


営業再開へ復旧急ぐ市


 高波を受けて大きな被害が出たのは「本牧海づり施設」(中区本牧ふ頭)。護岸に面した管理棟は1階部分の壁や窓ガラスが壊れて鉄骨がむき出しになり、営業できなくなった。コンクリート製の護岸や柵が広い範囲で崩壊し、自動販売機などが内陸まで押し流されるなど、多くの痕跡が波浪の激しさをうかがわせた。

 釣り場に向かう桟橋(長さ約100メートル、幅約3メートル)は海中に落下。強風で流されたケミカルタンカーが接触したとみられる。


広範囲にわたって被災した「本牧海づり施設」
広範囲にわたって被災した「本牧海づり施設」

 中野裕也港湾局長は17日の市会常任委員会で「(本牧は)海づり施設としては致命的な状態になっている」と言及し、復旧を急ぐため、国に支援を要望する考えを示した。中野局長は「手前での護岸での釣りは可能かもしれない。多くの釣りのファンが楽しみにしている場所なので暫定的な利用を含めて考えていきたい」とも述べ、安全確保を前提に一部施設の開放の可否について検討を始めた。

 「大黒海づり施設」(鶴見区大黒ふ頭)も桟橋の柵が流されるなど損壊が激しく、営業を中止。1カ月後の再開をめどに復旧作業を急いでいる。一方、「磯子海づり施設」(磯子区新磯子町)は被災した桟橋の復旧を終え、通常営業を再開。立ち入り禁止の区間があり、桟橋の床板にゆがみが残るが太公望たちが釣果を競う姿が戻った。


崩壊した護岸に立ち入り、釣りをする人たち =11日、金沢区福浦2丁目(画像の一部を修整しています)
崩壊した護岸に立ち入り、釣りをする人たち =11日、金沢区福浦2丁目(画像の一部を修整しています)

 横浜港では投げ釣りが許されていない護岸などで釣りをする人の姿が絶えない。市によると、台風による高波で計約1・2キロメートルにわたって崩壊した金沢区の福浦・幸浦地区の護岸でも以前から釣りをする人がいる。

 この地域の工場団地は広範囲で甚大な浸水被害を受けた。地元からは「非常に危ないだけでない。釣りをする人が駐車した車が災害ごみを運ぶダンプカーなどの往来の妨げになり、復興が遅れることになりかねない」との声も上がる。

 中野局長は倒壊した護岸への立ち入り制限を徹底するとした上で、そもそものニーズを踏まえ、「金沢区にもこうした(釣り)施設を考えるべきではないか」とも述べ、4カ所目の海づり施設開設の可能性を示唆した。 


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