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津波そのとき 3・11の教訓(5)
避難(下)「警報」が招いた遅れ

津波そのとき 神奈川新聞  2011年09月06日 14:00

「最初に判断を誤った」


1960年のチリ地震の津波痕を知らせる表示。今回はさらに内陸まで浸水、逃げ遅れた人もいた=大船渡市大船渡町
1960年のチリ地震の津波痕を知らせる表示。今回はさらに内陸まで浸水、逃げ遅れた人もいた=大船渡市大船渡町

 気象庁は反省している。3月11日午後2時49分、岩手と福島に予想高さを「3メートル」とする「大津波警報」を発令したことを。発生した地震を過小評価して的確な津波規模を予想できず、警報が逆に避難の遅れを招いたからだ。

 沿岸部の住民は思った。3メートルならば、津波に巻き込まれることはない-。

 岩手県山田町の店舗兼自宅を津波で失い、横浜市内でビル警備の仕事を見つけた浦辺利広さん(55)も、そう感じた。「うちは周りより3メートルほど地盤が高いから大丈夫」。防災無線を聞いて自宅にとどまると決め、2階に上がった。

 「津波が来るかどうか、人ごとのような感覚」だったが、いきなり堤防を越えてきた津波に店舗が押し流された。さらに高い津波が目前に迫る。「まずい」。幸いにも浸水したのは2階床上まで。波が引くのを待って外へ逃げ出した。再び津波に襲われる不安もあったが、「最初に判断を誤った。次の機会で取り返すしかない」。普段なら15分の町役場までの道は、がれきが散乱。足場の悪くないところを探しながら必死で逃げ、1時間もかかった。

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