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津波そのとき 3・11の教訓(4)
避難(中)「高齢者、住民が支え」

津波そのとき 神奈川新聞  2011年09月05日 14:00

「悔しい経験、継承しなければ」


震災前に配ったヘルメットを手に、「あの日」を振り返る吉田さん=大船渡市赤崎町
震災前に配ったヘルメットを手に、「あの日」を振り返る吉田さん=大船渡市赤崎町

 三陸の海を見下ろす小高い丘に30段ほどの階段が二つある。大船渡市赤崎町の生方(おいかた)地域。海抜10メートルの避難場所へ続くこの階段を、お年寄りが次々と上った。その傍らには、手を引く住民の姿があった。3月11日、避難は順調に始まった。

 「避難する時にお年寄りを置き去りにしたら、自分が助かっても絶対に悔いが残る。自力での避難が難しい人を支える仕組みを地域に根付かせなければ」。自治会長に当たる公民館長吉田忠雄さん(70)が腐心したのは「津波死者ゼロ」。そのために「津波てんでんこ」の一歩先を目指した。生方地域には、1960年のチリ地震津波で2人が死亡する苦い経験があった。

 取り組みの旗を振ったのは、住民による自主防災組織。支援が必要なお年寄りら一人一人に対し、避難時の担当者を住民の中からあらかじめ決めておき、毎年5月の避難訓練で確認した。

 少子高齢化が進む生方地域の居住世帯は約110。訓練の参加率が6割にとどまったこともあるが、昨年初めて100%、全戸参加を果たした。吉田さんは手応えを感じた。「避難時の必需品を入れるリュックサックやヘルメットを各世帯に配るといった地道な取り組みを重ね、避難の重要性を訴え続けたことが、意識の向上につながった」

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