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酒と涙と男と天ぷら(20)
親ばか いつの世も変わらず

話題 神奈川新聞  2019年06月28日 02:07

 エピソードA…午前零時、自宅。長男「ただいまーっ!」。私「おかえりー。忙しかったか? 風邪ひかないようにな。休むと会社に迷惑かかるからな。遅刻はするなよ、信用なくなるからな。昨日は朝までテレビつけっぱなしだったぞ。あっ、それからいつも笑顔でな。明るくしていりゃ、怖いもの無しってな…」。

 午前一時。二男「ただいまー」。私「おかえりー! 今日はおもしろかったか? 風邪ひくなよ」。以下ほとんど同文…。女房「くどくどうるさいわねぇ。あなたの若いころはどうだったのよ!」。長男、二男「そうだそうだ!」。

 昭和三十九(一九六四)年、僕十一歳、妹八歳。東京オリンピックを控え、日本も僕の身長も高度成長時代を迎えようとしていた。

 エピソードB―1…僕「ただいまーっ! おっ、うまそうなバナナだ。いただきまーす」。おやじ「ダメッ! それはユーコたんの」。僕「エーッ、半分くらいいいだろぉ?」。おやじ「だーめ!ユーコたんの。ねぇ、パパの大好きなユーコたん! ウーッ!」。妹「…」。

 エピソードB―2…僕「さぁてと! あと一息で宿題の世界地図が出来上がるぞ。あとは砂漠を描きこんでと!」。トントントン(鉛筆で砂の模様を書いている音)…。

 おやじ「こらっ、うるさいぞ! トントン遊んでるんじゃない!」。僕「ちーがーうーよっ! 宿題やってんだよぉ」。おやじ「ウソつきは泥棒の始まり。そんな宿題あるわけないだろ!」。僕「あーるーんーだーよ。実は砂バッ」。

 ゴキッ! 僕「痛っ!何すんだよ!」。おやじ「ちゃんと勉強しなさい! ねーっ、パパの大好きなユーコたんたん、ウーッ!」。妹「…」。

 子供に嫌がられる親ばかの症例を挙げてみました。Aは、自分が家族に愛されているか自信がないため、絶えずしゃべり続け、しまいに説教くさくなるタイプです。

 B―1、2は昔ながらのワンマンおやじそのままに一方的に娘におぼれ、揚げ句に無視されるタイプです。どちらも自覚症状はありませんが、Aでは子供の性格に影響は出ませんが、後者では確実に一人グレます。

 そして大人になると、このトラウマが原因でAのおやじになる可能性があります。家族が優しく接してあげる事が必要でしょう。ちなみにBの妹「…」ですが、雑音に惑わされず、マイペースなミュージシャ…。

 「シゲオッ! 何やってんの? またつまんないモノ書いて! 夕べ飲み過ぎたでしょ。顔に書いてあるわよ。幾つになったら分かるの! いいかげんにしなさいよ、あんたは!」。ヤレヤレ、幾つになっても親ばかは変わらないようです。おふくろ、これからもヨロシクね。

(2005.3.20)



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