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備え 避難意識の改善進む 噴火警戒 大涌谷再開(下)

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神奈川新聞  2005年11月27日公開  

小規模施設の避難確保計画。限られた人員での対応を迫られる
小規模施設の避難確保計画。限られた人員での対応を迫られる

 「火事を想定した訓練はしていたけれど、噴火のことは考えていなかった。この辺りは何千年も前に溶岩が流れてきた場所ではあるが…」。箱根町内で保養所を営む男性が打ち明ける。

 2015年6月に小規模噴火を起こした箱根山・大涌谷から直線で約2キロ。より大きな水蒸気噴火が起きれば噴石が飛散する恐れがあるとして、町が避難指示を出す半径2・1キロ以内にぎりぎり入っている。

 町内の全体的な避難手順は町の計画に定められているが、14年9月の御嶽山噴火を踏まえた活動火山対策特別措置法(活火山法)の改正で、活火山の地元の集客施設や福祉施設は個別の避難確保計画を作らなければならなくなった。

 箱根山で計画策定を義務付けられたのは、ホテルや旅館、交通事業者など89施設。町は当初、100を超えるとみていたが、実際に動き始めると「廃業する」との理由で対象外になる施設が相次いだ。保養所の経営者が代弁する。「火山活動の影響が長引き、やめていったところもある」

 10室に満たないこの保養所は、町が示した計画のひな型に管理者や誘導班、避難先などを書き込み、どうにか体裁を整えた。「従業員が何十人もいれば役割分担できるが、妻と2人で切り盛りしているから、どの担当者欄にも同じ名前を書くしかなかった」と言い、不安を隠さない。「これで誘導できるだろうか。自分が逃げるので精いっぱいだ」

 客室数が100を超える宿泊施設にも特有の悩みがある。「支配人やマネジャーなどに役割を割り振ったが、休みで不在の場合はどうすべきか」。そのため、「この計画だけで円滑な避難ができるとは思わない。臨機応変に対応するしかない」と受け止めている。

 それぞれに課題を抱えながらも、対象施設の約8割に当たる71施設が策定を終了。計画作りを通じ、地域の「次」に対する意識も高まった。それはいつ、どんな形で起きるのか-。

 15年4月からの火山活動では、

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