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【K-Person】ぼくのりりっくのぼうよみ
言葉は絵の具 対談から刺激得る

K-Person 神奈川新聞  2017年03月26日 10:57

ぼくのりりっくのぼうよみさん
ぼくのりりっくのぼうよみさん

【K-Person】ぼくのりりっくのぼうよみさん

 横浜市鶴見区育ち。逗子市の私立男子高校を卒業後、現在は大学に通いながら歌手として活躍している。

 高校2年の時、10代向けの国内最大級のオーディション「閃光(せんこう)ライオット」に応募したのをきっかけに、17歳でメジャーデビュー。雑誌「文學界」にエッセーも寄稿するなど、言葉を縦横無尽に操る文学的な歌詞がアーティストや若者らの共感を得てきた。

 「中学生のとき、走ることが嫌いでバスケ部を1日でやめた。何もやることがなくなってしまったので家で音楽を作って動画サイトに投稿することから始めました」。「ぼくのりりっくのぼうよみ」は、「午前2時に思い付いた名前。最初はへたくそだったので、ぼうよみにしました」と笑う。

 新作の2ndアルバム「Noah’s Ark」を今年1月に発表。同アルバムに収録した「Be Noble」は、映画「3月のライオン」(前編)の主題歌として書き下ろした。同世代の棋士が主人公の映画。「将棋と向き合って成長する主人公の姿に、気高さを感じて作った」と語る。

 アルバムには計10曲を収録。旧約聖書のノアの箱舟をモチーフに制作した。ノアの箱舟に乗船できなかった人々は滅びてしまうが、「今は情報の洪水で感性とか自由意思が人々から奪われていると思っていて、その感覚をアルバムで描きたかった」と話す。

 「真実」は二の次となり、「フェイクニュース」があふれる「ポスト・トゥルース」時代。「ツイッターなど、ネットの情報は、感情で全部を判断してしまっている」と危機感を募らせる。「感情って原始的なもので、それに支配され過ぎると理性が機能しなくる。人間は、情報をコピペするだけの、ただのゾンビになっている気がする」

 ゾンビにならないためにはどうしたらいいのか-。その答えを探ろうと、「会いたい人と対談する」ウェブサイト「NOAH’S ARK」の制作にも取り組んでいる。今まで、メディアアーティストや歌人らと対談。計10人と対談する予定で、「言葉は絵の具だと思っていて、いろんな言葉を使える人の脳内の景色はカラフル」と、アーティスト同士の対談から刺激を得ている。

 まだ10代。アイデアは次々と浮かぶ。「家を買うことは何回もチャレンジできないけれど、ライトな選択肢にチャレンジすることは自分のスタンスです」

お気に入り


 「ボードゲームがめちゃくちゃ好きです」と、リュックから何個もゲームを取り出して机に並べてくれた。「専門のお店があって毎回ちょくちょく買ってしまうんですが、一人じゃできないので持ち歩いて会った人とゲームするんです」。「パッケージもかわいい」とお気に入りだ。「みなとみらいも好き。散歩して曲のアイデアを整理したり、受験生の時はカフェで勉強していました」

ぼくのりりっくのぼうよみ 歌手。1998年生まれ、横浜市鶴見区育ち。2015年12月、1stアルバム「hollow world」でメジャーデビュー。17年1月、2ndアルバム「Noah’s Ark」をリリース。同アルバム収録曲「Be Noble」は公開中の映画「3月のライオン」(前編)の主題歌。

記者の一言
 「ぼくのりりっくのぼうよみ」。全て平仮名の奇抜な名前に驚き、インタビューを申し込んだ。時代の先端を行く若者。鋭い感性に振り落とされないか、ドギマギする取材だった。

 インタビューも終盤にさしかかった頃、ぼくのりりっくのぼうよみさんから「1個聞いてみたいんですけど」と、質問を投げかけられた。

 「フェイクニュースがあふれている今、メディアの信頼が揺らいでいると思うんですが、新聞の人としてはどう考えていますか?」。取材相手から質問されるのは初めての経験。何とか答えたけれど、忙しさの中でゾンビにならないためにも、日頃から自分で問いを立てて考える意識付けが必要だと刺激された。


ぼくのりりっくのぼうよみさん
ぼくのりりっくのぼうよみさん

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